ゴムライク造形など樹脂の強度について
ミッツ株式会社が製造・販売する3Dプリンタの最大の特長は、やわらかいものを造形できることです。やわらかい造形を可能にするのは3Dプリンタの機構だけでなく、造形の材料となる樹脂にもよります。ここでは、やわらかい造形を可能にするミッツ株式会社の樹脂について解説します。
造形の仕組み
樹脂槽に入れた樹脂は、コータの動作によってシート上に塗布され、そこへ一層ごとにスライスされたオブジェクトの画像をプロジェクタで照射して樹脂を硬化させます。
この工程の繰り返しによって造形が完成します。
多様な樹脂の種類
樹脂の種類はやわらかさによって異なります。
● ショアA2ゴムライク樹脂
● ショアA5ゴムライク樹脂
● ショアA5強化ゴムライク樹脂
● ショアA13ゴムライク樹脂
● ショアA25ゴム弾性樹脂
● ショアA50ゴムライク樹脂
● ショアA55ゴム弾性樹脂
● 耐熱性アクリル樹脂
ゴムショアA数値が低いものほど やわらかく、耐熱性アクリル樹脂が いわゆるプラスチックのような硬さの樹脂です。
ミッツ株式会社の3Dプリンタは、これらの樹脂を入れ替えることで、1台の3Dプリンタで多様なやわらかさの造形を可能にします。
ゴムショアA数値に関しては、コチラを参照して下さい。
臓器モデルなど医療分野に対応|やわらかい造形の3Dプリンタ
強度の高い樹脂
ミッツ株式会社が販売する樹脂の最大の特長は、強度の高さにあります。
他社製品のゴムライク材料は、2~3回折り曲げただけで壊れてしまいますが、ミッツ株式会社のゴムライク樹脂は、50回以上の折り曲げても全く問題ありません。
特にA5強化ゴムライク樹脂は、ショアA2ゴムライク樹脂に対して1.5倍の強度があります。
その他の特長
また、樹脂は異なるやわらかさのものを混合して、お好みの硬さに調整することが可能です。
例
A50 (45g) + A2 (850g) = A5 (1000g)
ほぼすべての樹脂がアクリル系モノマーを主成分としています。樹脂の色は薄黄色透明色で、無色透明ではありません。弊社指定の顔料や染料を樹脂に混ぜることで、樹脂を着色することができます。
ゴム強度の詳細については、下記 物性表を参照して下さい。
まとめ
● ミッツ株式会社は多様な樹脂を取り揃えており、独自機構の3Dプリンタで樹脂を使用することにより他社にはない造形を実現します。
● ミッツ株式会社の樹脂は強度が高く、靭性にも優れています。
● 樹脂を混合することで、お好みのやわらかさに調整することができます。
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