ダブルコーター M3DS-SHD 造形テスト
ミッツ株式会社が製造・販売する、ダブルコーターを搭載した3Dプリンタ M3DS-SHDを使用して入れ歯のモデルを造形しました。
歯の部分が耐熱性アクリル樹脂、歯茎の部分がショアA2ゴムライク樹脂で造形されています。
ふたつの異なる樹脂を使用して、一度の造形で完成しました。
ダブルコーター方式についてダブルコーター搭載M3DS-SHDが他機種と異なる点を解説
M3DS-SA5などミッツ株式会社が製造・販売する国産3Dプリンタは、コーターに入れた樹脂が造形シートに塗布され、そこにプロジェクタの光を照射して一層分を硬化させ(DLP光造形)、これを繰り返すことで造形を完成させるコーター方式を採用しています。
樹脂を入れるコーターを2つ搭載したダブルコーター方式のM3DS-SHDは、コーターを交互に動作させることで、一度の造形で2種類の樹脂を使用する2マテリアル造形を業界で初めて実現しました。
これによって色の違う2つの樹脂を使用する造形(例えば外側が透明、内側が色付き)、または部分によって硬さが異なる造形などが可能になります。
ダブルコーター方式を実現する造形のポイントシングルコーターとは異なる、2マテリアル造形を完成させるための大きな違いについて
2マテリアル造形を実現する機構の大きなポイントは、クリーナー槽による洗浄の工程にあります。
クリーナー槽による洗浄を行うことで、異なる樹脂同士のつなぎ目が混ざらず、キレイに分かれた状態になります。
造形物を介してふたつの樹脂が混ざらないようにするため、片方の樹脂を硬化させたあと クリーナー槽による洗浄の工程が加わり、その後にもう片方の樹脂の硬化がはじまります。
M3DS-SHDを使用して単独の樹脂で造形する場合でも、洗浄の工程を加えることができます。
制御ソフト上から洗浄のON/OFFが設定できます。
ダブルコーター方式 使用時の注意点M3DS-SHD使用時のデータの準備について
また、ダブルコーター機M3DS-SHDで2マテリアル造形をする場合、データの準備に注意が必要です。
2マテリアル造形には2種類のデータが必要となり、素材どうしが交差する部分は片側が削除されている必要があります。
まとめダブルコーター搭載3DプリンタM3DS-SHDの優れたポイントを要約します
●ダブルコーター方式M3DS-SHD は、一度に2種類の樹脂を使用できる3Dプリンタです。
●クリーナー槽による洗浄の工程が加わることで、2つの樹脂が混ざることなく精度の高い造形が可能です。
●2種類の樹脂を使用するため、2種類のデータが必要になります。
ダブルコーター方式はシングルコーター方式と同様に、造形が吊り下げられるように完成していくため造形に負担がかからず、やわらかい造形や細かな造形を成功させます。
DLP光造形方式では業界初となるダブルコーターを搭載した、ミッツ株式会社が製造・販売する国産3DプリンタM3DS-SHD の詳細につきましては、弊社までお気軽にお問合せください。
関連リンク
ダブルコーターを搭載 M3DS-SHD - ミッツ3Dプリンタ
やわらかい樹脂の造形を可能にした最先端のコーター方式 - ミッツ3Dプリンタ
光造形で業界初 - 複合造形 - ミッツ3Dプリンタ
3Dプリンタコラムに関連する記事
ミッツ光造形3Dプリンタ概略 造形方式と樹脂の優位性
3Dプリンタを使用した試作の造形
本稿では、試作品の造形が完成するまでの過程を詳しく紹介しています。